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著作権法の条文をを改正して,何兆円のGDPの成長効果があるなんて考えている人は誰もいないだろうと思います。
著作権法というのは元来,産業振興法ではなくて,著作権法の法律を改正すれば,ある産業が起こるとか,そんなことはあり得ないと私は思っております。
ただ,言えることは,著作権法が権利者の利益を害さないような方法でのビジネスがあった場合に,その足を引っ張ることがあってはいけないと考えています。
しかし,そのように足を引っ張らないような法律改正しても,果たしてその産業が起こるかどうかは,それはビジネスモデルだとか,あるいはそのための資金があるか,あるいは経営者のマインド,あるいはそれに関わるインフラがあるか等々の問題に依拠しているわけです。著作権法が,直接的に産業を興すということはあり得ないだろう私は思っています。
しかし,過去の例でいきますと,検索エンジン,これはアメリカの例を見てみますと,仮にフェアユースがなかったら,恐らく検索エンジンビジネスは起きなかった。過去の例としては,検索エンジンについては,間違いなく経済効果が十分あったということが言えるだろうと思います。
日本ではこの前の改正があったわけですけれども,10年遅れて改正した。今後,どういう技術が出てくるか全く分からない。おそらくクラウドコンピューティングなどの出現で,我々想像できないことがいろいろなビジネスが出てくるだろうと思います。その場合に,もちろん権利者の利益を害してはいけないので,本の売上が落ちるとか,レコードの売上が落ちる,そういうものはフェアユースにならない典型例なのですけれども,そうではない,検索エンジンのような,権利者の利益を害さないものがあった場合,果たしてそれを禁止していいかという,そういう問題になろうと思います。
何が起きるか分からない。そういう状況において,果たして個々の権利制限規定の条文を作っていくので十分か,間に合うか,あるいは間に合うとしても,今度の検索エンジンのあの条文を見て,あんな見にくい条文を今後も作り続けてゆくのか。
あの検索エンジンの規定は,法律の専門家が読んだって,何を言っているかちっとも分からない。そういう条文を毎年,毎年作っていかなければいけない,といことでよいのか0。あるいは一昨年は,機械を修理する場合に,中のものを出して,もう一回入れることはセーフですよと,という条文を作りました。世間の人が見たら,こんなばかなことを著作権法は書かねばならないのか,と思うでしょう。このような世間離れした法律を今後毎年大量に作って行かねばならないのでしょうか。
著作権も意識が発達していますから,多くの人は,果たして今やっていることが大丈夫かと不安になってくるわけです。そうすると次々に毎年,これもやってくれ,あれもやってくれという改正案が毎年多数出てくる。そんなことを著作権法でいちいち処理できるか,と私は思っています。
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