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○苗村委員 今の質問の延長で、同じ表をもとにお二人に質問したいんですが、この表の4ページ、5ページのところで、○のあるところの中に主な要件の中には補償金というのが書いてあるところがあります。この表に含まれてないものでも、隣接権の制限の中では報酬請求権というのもあったりするわけですが、そのように完全に無料ではないけれども、権利制限の対象になっているような場合について、もしも一般性のある規定を設けるとしたとき、その有償での利用というのをどうするのか、前回での議論で私が理解したのは、もちろん結論ではないにしましても、フェアユースに近い規定を新たに設けるとすると、その中に有償という概念は含められないのではないか、こういうお話もあったんですが、さてこの個別規定と一般規定の比較をするときに、そういう有償での利用、しかしながらその都度許諾を得なくてもよいという、そういう使い方というのはどういうふうに取り込まれることが可能なのか、ちょっとこれは参考人のお二人の方からぜひお答えをいただきたいと思います。

○島並参考人 すぐには考えがまとまらないのですが、規範内容を所与のものとした場合に、その形式が個別であるべきか一般であるべきかという問題と、規範の内容として「利用した以上はお金を払いなさい」ということは、次元が異なる問題で、別途考えるべき問題だろうと思います。すなわち、一般規定か個別規定かという検討から、その内容についての補償金を支払うべきかどうかに関する結論が直接導かれるわけではないんだろうと私は考えております。
 その上で、補償金の規定を入れるかどうかだけを取り出して、今日の私の報告とは離れてちょっと考えてみますと、前回までの議論では、一般規定・フェアユース規定を置いたとしても、補償金制度を盛り込むのは難しいだろうという議論だったわけでしょうか。そうであるとしますと、ちょっとにわかには私は理解できないんですけれども。例えば、事業上、平らに言うと金もうけのために著作物を利用している場合に、利用をしては良いが利用する以上はその利益の一部を権利者に還流させなさいということが一般規定において規定されても、特段背理ではないと思います。むしろ何か不都合があるのであれば、教えていただければ幸いです。

○中山会長 条文の書き方が極めて難しいでしょうね、一般規定で補償金というのは。どういう条文を書いたらいいでしょうか。

○島並参考人 あくまでも規定振りという立法技術上の問題ということですか。

○中山会長 条文に書けなければ、立法はできません。確かに理屈としてはそのような制度があってもおかしくないかもしれないけれども、アメリカのフェアユースもそうだと思うんですけれども、フェアユースであるけれども、お金を払えという、そういう規定は、実際問題としては難しいのではないかというのが前回の話なのですけれども。

○島並参考人 規定振りだけでなく、内容としても、裁判官の裁量にゆだねるのは補償金制度とはなじまないということでしょうか。

○中山会長 これはこの問題に限らず特許の強制実施権も、あるいは公取の取引拒絶の場合に具体的な契約内容まで決めることができるか、という問題も同じなんですけれども、裁判官が取引に介入してこういう条件で対価は幾らにしなさいということまでやらせるべきかどうかという問題です。これは著作権に限らない大きな問題で、まずそれを解決しないと、なかなか難しいのではないかという気がしますけれども。

○島並参考人 実際のフィージビリティ(実現可能性)の問題と同時に、補償金制度については、財の保護をプロパティルール(所有権的構成)でいくのか、ライアビリティルール(不法行為的構成)でいくのかという理論的な問題も背景にございます。これを説明し始めるとまた長くなるので、私からは以上です。

○奥邨参考人 先ほどの報告に基づいて、私から申し上げられますのは、私のほうの資料の22枚目でございますけれども、アメリカでも、現行のフェアユース規定を基に、一種の強制ライセンスのようなことを裁判所が命じることができるか云々というようなことが議論になって、裁判所としてもいろいろな立場があるようです、ということになろうかと思います。ただ、私個人的には、全く補償について何も書いていない日本版フェアユース規定を前提に、裁判所が踏み込んで、こういう場合は補償しなさいというようなことを判断するというのは難しいということになるかと思っております。やるとなれば、フェアユース規定の中に、こういう場合は補償しなさいということを書くべきだと思うのですが、そうなりますと個別具体的なライセンス料の決め方まで書き込んでいかないといけないということになってしまいます。したがって、補償の問題は、一般規定というよりは個別規定マターになるのではないかと個人的には思っております。

○中山会長 恐らく補償金の1件、1件は額が少ないので、補償金制度をうまく動かすためには大量処理とか、そういう何か機関が関与してとか、そういうことが必要になってくるので、やはりフェアユース規定ではなく、個別の立法で解決すべきではないでしょうか。裁判で解決するというのは余り現実的ではないような気がするんですけれども(中略)。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/digital/dai6/6gijiroku.html

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